2022東京柏会総会
開催報告
2022年東京柏会総会開催報告
東京柏会の3年ぶりの総会が2022年7月2日(土)午後、東京・丸の内の日本倶楽部で開かれました。
総会の概要は、次の通りです。
〇 総会の状況
(要旨)
3年ぶりに総会開催、66人が集う
二つの講演中心に懇談「コロナ」対策で飲食なし
新型コロナウイルス感染がなお収束せず、かつ猛暑日のなか、66人の会員が参加しました。「コロナ」対策の一環として酒類を伴う飲食はなく、二つの講演を中心に懇談し、従来とは趣向の異なる総会でした。
柏高の校歌がBGMとして流れるなか、会場入り口では、アルコールによる手指消毒と検温を参加者に求め、マスク着用をお願いしました。
総会議事の後、最初の講演者は、作家でジャーナリストの横村出さん(高32)です。近著『放下(ほうげ)・小説 佐橋ノ荘』を基に、のちに西国で大勢力をなす鎌倉御家人の毛利氏と柏崎の関わりを語りました。
承久の乱で功のあった毛利氏は執権北条氏から柏崎の「佐橋ノ荘」を与えられますが、その後に起こる毛利一族の家督争いを描いています。横村さんは「記録のないところは、小説家だから物語でつなごうと考えた」とし、世阿弥の能『柏崎』に着想を得たといいます。柏崎を舞台にした古浄瑠璃の再現に尽力した故ドナルド・キーン氏の活動も励みになったそうです。
「『放下』は禅の言葉で『執着を捨てる』こと。小説のテーマは、いかに生きていかに死ぬか」と語る横村さんは、朝日新聞モスクワ特派員の経験もあります。現在進行形のロシアによるウクライナ侵攻にも触れ、「これまでロシアからいろいろな戦争を見てきて、プーチン大統領の歴史観から精神構造は予測可能」とし、「戦争とは何か。ある意味『放下』と裏表の関係にある」と語りました。
講演の二つ目はトークショーでした。国の重要無形民俗文化財で柏崎・鵜川に約500年前から伝わる「綾子舞」をモチーフに、声優の堀井真吾さん(高28)が脚本・演出した舞踊劇「綾子舞物語」が2021年10月に柏崎で上演されましたが(詳細は『とっこつ』104号に掲載済み)、その舞台のいわば裏話について、出演した女優の永宝千晶さん(高54)と堀井さんが語り合いました。
公演の様子のVTRを20分ほど上映した後、永宝さんは「これまで踊りの経験がないのが一番の不安でした」と話し、「狭い花道から落ちないように、かつらを落とさないように、滑って転ばないように、と気にしていた」と笑いを誘っていました。また「生まれ育った柏崎の舞台に立てて、こみ上げてくるものがあった」そうです。
堀井さんは、これだけ長く伝承されている「綾子舞」自体も奇跡だが、「コロナ禍」で当初予定より1年延期したうえでの公演で、「これならできる」とわかったのは公演当月の10月に入ってからと紹介し、「これも奇跡でした」と語りました。
講演会終了後は、そのまま30分間ほど参加者の懇談に移り、思い思いに旧交を温めました。
総会では時節柄、同窓会本部や柏高などからの来賓をお招きせず、代わりに、吉川保校長と、柏中・柏高同窓会の土田新吾会長(高16)、櫻井雅浩・柏崎市長(高33)のビデオメッセージを上映しました。また、柏崎市元気発信課の永見奈々主事(高60)が会場に駆けつけ、ふるさと納税の「柏崎ふるさと応縁基金」への協力を求めました。
3年ぶりの総会とあって、参加者は再会を喜び合い、ペットボトルの茶を飲みながら、近況報告や情報交換などに楽しい時間を分かち合っていました。
来年2023年は通常の形で総会が開催できることを願っています。